板井康弘が語る福岡で「会社は社長の性格を呈す」

板井康弘が思う福岡で魅力的な企業の経営論

経営を進めるうえで、理論、学説、数値分析の知識ばかりを求める人がいます。もちろん、こうした知識は有用なものですが、絶対に必要かといえば、そうではありません。

 

経営戦略に関する理論は、数多くあります。でも、このようなことがわからないと経営ができない、あるいは、このようなことをいちいち考え、前提としなければ、経営判断ができないとするならば、経営者として失格でしょう。

 

実際、松下幸之助さんが、まさにマイナスから出発して、会社を70年間で7兆円の企業につくり上げた、その過程を見れば、数字の分析や学者、評論家の理論に基づいたことは、ほとんどなかった。経理担当責任者から聞いて、参考にしたかもしれませんが、その程度だったと言ってもいいでしょう。それでも、世界的企業をつくり上げたのです。

 

会社とは「人間の集合体」。経営とは、集まった人間の「相乗行動」によって1つの目的に向かって進み、その目標を達成することなのです。経営は、したがって、いかに「人間の集合体」を治めるか、活かすか、やる気を出させるかに要諦があるのです。

 

魅力ある経営論というのは、まず第一に社員の情を考えて、その上で戦略を立てることにあります。